分・別・解・判(読み)わかる

精選版 日本国語大辞典 「分・別・解・判」の意味・読み・例文・類語

わか・る【分・別・解・判】

[1] (分・別) 〘自ラ下二〙 ⇒わかれる(分)
[2] 〘自ラ五(四)〙
① (分) 一つのものが別々になる。また、区分される。わかれる。
日葡辞書(1603‐04)「トウザイニ vacaru(ワカル)
※浮世草子・世間胸算用(1692)四「面屋(おもや)よりわかりて、隠居付の女十一人」
物事の意味、内容、事情、区別などが了解される。
※日葡辞書(1603‐04)「リガ vacaru(ワカル)、または、vacaranu(ワカラヌ)
※人情本・春色梅児誉美(1832‐33)初「およそおさなきおりからにおやにはなれてそだつほど、かなしきもののあるべきかと、わかりし心におゐらんは」
③ 立場、気持、事情などを察してさばけた気持を持つ。物わかりよく世情に通じる。
洒落本古契三娼(1787)「品川でまつざか屋の野風といった女郎しゅが、わかったものさ」
※正直者(1903)〈国木田独歩〉「あのおかみさんなかなか解(ワカ)って居るなア」
④ 事実などがはっきりする。判明する。知れる。
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉三「何処の馬の骨の、書いたのやら、辨(ワカ)らぬものなり」
[3] 〘他ラ五(四)〙
① 承知する。のみこむ。
※歌舞伎・東海道四谷怪談(岩波文庫所収)(1825)序幕「そんなら真面目に見せておいて矢張わかるか」
② (承知してとりはからってくれる意から) 金銭などをもらう。
※人情本・寝覚之繰言(1829‐30)二「居続けでもしてゐる御客の処へ行って髪を結やア、直き百疋わかるといふもんだ」
[補注]「万葉‐四三八一」の「国々の防人つどひ船乗りて和可流(ワカル)を見ればいともすべなし」の例から、古く四段活用があったとする説もあるが、これは「わかるる」にあたる上代東国方言形、あるいは、終止形を連体形相当に用いたものともいわれ、明らかでない。

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