八入(読み)ヤシオ

デジタル大辞泉 「八入」の意味・読み・例文・類語

や‐しお〔‐しほ〕【八入】

カエデの園芸品種。春の若葉が赤く、夏に緑色になる。
布を幾度も染め汁に浸して濃く染めること。また、その染めた布。
「紅の―に染めておこせたる衣の裾も通りれぬ」〈・四一五六〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「八入」の意味・読み・例文・類語

や‐しお ‥しほ【八入】

〘名〙
① (「や」は多数の意、「しお」は染色のとき染汁につける回数を表わす接尾語) 何回も染汁に浸してよく染めること。濃くよく染まること。また、そのもの。やしおぞめ。
万葉(8C後)一九・四一五六「吾妹子が かたみがてらと 紅の 八塩(やしほ)に染めて おこせたる 衣の裾も とほりて濡ぬ」
② 色が濃いこと。程度が深く、濃厚であること。また、その濃い色や深い程度。
※俳諧・山の井(1648)秋「紅葉 初紅葉、うすもみぢ、やしほの紅葉」
③ カエデの一園芸品種。若芽は紅色で若葉は淡紅色を帯びる。やしおもみじ。
※新撰六帖(1244頃)一「見わたしの岡のやしほは散り過ぎて長谷山にあらし吹くなり〈藤原家良〉」

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