入江村
いりえむら
[現在地名]西城町入江・熊野
西城川支流の入江川流域および大屋川下流域一帯に位置する。北は中野村、南は栗村。北方の熊野川流域に尺田・田鋤・別所（現大字熊野）の飛郷がある。尺田は奴可郡北西端に位置し、比婆山連峰の南麓にあたり、熊野川の源流域を占める高冷地。標高五〇〇―七〇〇メートルにわたる谷あいに耕地がわずかに開ける。田鋤は尺田の南東にあり、北は大屋村飛郷の衣木。別所は田鋤の南にあり、東は西城川を挟んで八鳥村。
戦国時代、奴可郡全域に勢力をもっていた宮氏は当村の栗村境に築いた大富山城を五代にわたって本拠とした。元和五年（一六一九）の備後国知行帳では高六六九石余。当村は古く上久里とよばれたともいわれるが、「国郡志下調書出帳」は認めがたいこととする。また同書出帳によれば、当村は小坂谷・的場谷などの小さな谷からなり、水をたたえていれば入江にみえる地形であると記す。
入江村
にゆうえむら
[現在地名]猪苗代町堅田
廻谷地村の南東に位置し、古くは同村の内であったともいう（「千里郷土誌」など）。南は猪苗代湖に面し、東は牛沼新田村、西は相名目村。川西組に属した。二本松街道の脇道が通る。猪苗代氏の祖三浦経連が猪苗代入部の折、安積郡福良浜（現郡山市）より出船、当地に着き新たに仮屋をかけて饗したので新家と称していたが、寛文年中（一六六一―七三）旧に復して入江と改めたという（新編会津風土記）。文禄三年（一五九四）六月の猪苗代内検地帳写（鈴木家文書）には新永村とみえ、当地には七郎兵へ・二郎左衛門・縫之助・勘解由の屋敷持がいた。
入江村
いりえむら
[現在地名]村岡町入江
用野村の北西に位置する。湯舟川の右岸を北進してきた山陰道は当地で左岸に渡り、西隣の和田村に向かっていた。当村の集落は山陰道に沿って湯舟川の左岸に発達。枝村の和佐父は本村から北東方に離れ、矢田川支流和佐父川の谷間にある。「七美郡誌稿」によれば、古くは市場村と称し、集落は現在地の北方、城山（郭跡が残る）の麓にあったが、山崩れに遭ったため現在地に移転、入江村と改称したという。
入江村
いりえむら
[現在地名]金沢市入江一―三丁目・東力一―四丁目
御供田村の北西に位置し、北は玉鉾村。地名はかつてこの地が入江であったことに由来するとも伝えるが（亀の尾の記）、不詳。「源平盛衰記」巻三一には寿永二年（一一八三）七月、近江国に入り比叡山に登った木曾義仲の軍勢に加賀国住人太田兼定がみえ、同月二二日夜半の合戦で兼定の嫡子入江冠者親定が討死している。当村田圃中のナカゾという地にかつて領主の館跡があったと伝えることから、「加賀志徴」などはこれを親定の館跡とするが、不明。
入江村
いりえむら
[現在地名]日田市友田 北友田
友田村の西方、三隈川右岸に位置する。慶長七年（一六〇二）の玖珠郡・日田郡御蔵入目録（佐伯藩政史料）には村名がみえ、物成二〇〇石余のうち米九七石余・豆八八石余・粟八石余・大唐六石余となっている。同一一年村内一五四石余が筑前福岡藩主黒田長政室領になったとされ（「豊西説話」「日田記」など）、慶長豊後国絵図では村高の記載がないものの、黒田と記され、同藩領であった。正保郷帳に村名がみえ、田高七七石余・畑高七六石余で、曰理郷に属した。日損所とある。寛文四年（一六六四）の小川代官支配高帳（長野家文書）では免一ツ五分二厘で、永荒六〇石余。
入江村
にゆうこうむら
[現在地名]八束町入江
波入浦の西に位置し、西は中海に面する。大根島七ヵ村の一つで、前分に属する。寛永八年（一六三一）の大根島御検地帳に村名がみえ、田はなく、畑高一二一石余・反別二一町七反余、家数一七、名請人二五。元禄一三年（一七〇〇）の大根島検地帳（八束町役場蔵）では高一二一石余、反別田八畝余・畑三四町二反余、名請人八七。宝暦一三年（一七六三）の大根島万指出帳（同役場蔵）では家数九五・人数四七四、船数二八。同年に実施された島義田では飯石郡吉田村（現吉田村）の田辺長右衛門に大根島で高一〇〇石が与えられ、その島義田証文・義田証文添目録覚（島根県史）によると入江村には二〇石の負担が課されている。
入江村
いりえむら
[現在地名]木造町菰槌
屏風山砂丘の東部末端に位置する。南は薦槌村に続き、田圃を隔てて北は大湯町村、東に山田川がある。
享保一二年（一七二七）には木造新田に属し、木造通三五ヵ村の一つで村位は下とある（平山日記）。元文元年（一七三六）の検地帳によれば、田畑屋敷合わせて一三町九反四畝二〇歩、村高六八・〇一八石とある。うち田方一一町九反五畝五歩で六二・一二七石、中・下田がなく上・下々田と設定され、下々田が一一町五反五畝二二歩、五七・七八八石とあり、畑方は一町九反九畝一五歩で五・八九一石、下々畑のほか下畑が九反八畝二一歩、〇・九八五石とある。
入江村
いりえむら
[現在地名]富山市水橋入江
常願寺川東方の低地に位置し、北西は入部町村。村名は常願寺川が曲折して入込み、湖沼と同様の地形をしていたことに由来するという（水橋町郷土史）。寛永一七年（一六四〇）の神尾直次等宛新川郡内知行所付状（神尾家文書）に、入江村は高一三七石余・免二ツ五歩六厘とある。明暦二年（一六五六）の村御印留では草高一五二石・免三ツ五歩。寛文一〇年（一六七〇）の村御印では変化なく（三箇国高物成帳）、元禄四年（一六九一）に五七石、同八年に三八石の洪水による検地引高があり、天保一一年（一八四〇）には打銀高六四石（「高免帳」杉木家文書）。
入江村
いりえむら
[現在地名]新湊市片口・奈呉の江
放生津潟の南辺に位置。東の大坪川、西の勘兵衛川に挟まれた低湿地で、東は片口村。開拓には竹脇家が代々あたり、堀岡又新村の西に続く潟回りを七代茂三郎が九九石余を開墾。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
