耶麻郡(読み)やまぐん

日本歴史地名大系 「耶麻郡」の解説

耶麻郡
やまぐん

面積:一三四二・六二平方キロ(境界未定)
猪苗代いなわしろ町・磐梯ばんだい町・塩川しおかわ町・北塩原きたしおばら村・熱塩加納あつしおかのう村・山都やまと町・高郷たかさと村・西会津にしあいづ

県の北西部、会津地方の北部に位置する。昭和二九年(一九五四)従来の郡域の中央部を割いて喜多方市が成立したため郡は東西に二分された。東半は猪苗代町・磐梯町・塩川町北塩原村の三町一村からなり、西は喜多方市、南は河沼郡会津坂下あいづばんげ町・湯川ゆかわ村・河東かわひがし町・会津若松市・郡山市、東は郡山市と二本松市・福島市、北は山形県米沢市と接する。西半は熱塩加納村山都町・高郷村・西会津町の二町二村からなり、東は喜多方市、南は会津坂下町・河沼郡柳津やないづ町・大沼郡金山かねやま町、西は新潟県東蒲原ひがしかんばら津川つがわ町・鹿瀬かのせ町、北は山形県西置賜にしおきたま飯豊いいで町・米沢市と接する。なお山都町の北西方へ細長く延びる、飯豊山・御西おにし岳への登拝路沿いの地域は同町に属し、同所では新潟県新発田市・西置賜郡小国おぐに町とも接している。なお現郡域のうち、おおむね日橋につぱし川―阿賀川を境として南の地域はかつては河沼郡に属していた。

喜多方市を含み郡域の東・北・西の三面は吾妻・安達太良・磐梯・飯森いいもり・飯豊など一五〇〇―二〇〇〇メートル級の山々が連なり、その南面には会津盆地の北部を占める平地が広がる。南東部には猪苗代湖があり、同湖から流出する唯一の自然河川である日橋川が南端を西流する。同川は塩川町で阿賀川本流のおお川と合流、西流を続けて新潟県に入り、阿賀野あがの川となる。東部には猪苗代湖を中心とした猪苗代、西部には阿賀川沿いの山間に野沢のざわの両盆地がある。吾妻・磐梯山系の渓水は長瀬ながせ川となり猪苗代盆地を南流して猪苗代湖に注ぐ。飯森山など山形県境から流れ出る水は大塩おおしお川・姥堂うばどう川・田付たづき川・押切おしきり川・にごり川となり、会津盆地北部を潤しながら南流して阿賀川に入る。福島・山形・新潟三県境にまたがる飯豊山系の水は東部ではいち川となり、山都町北部の山地に段丘を形成しつつ南流して阿賀川へ、西部ではおく川となり、西会津町北部の山地を南流し、新潟県境付近で同じく阿賀川に合流する。南部を東西にJR磐越西線・国道四九号が走り、中央部を国道一二一号が南北に、東部を同一一五号が南西―北東に縦断しておもな交通路となっている。なお喜多方市を含めて当郡は歴史的・地理的に猪苗代・北方きたかた(喜多方)および山三郷やまさんごうと野沢の三地域に大きく分けられる。猪苗代は猪苗代町・磐梯町、北方は塩川町・北塩原村・熱塩加納村と喜多方市、山三郷は山都町および高郷村・西会津町の阿賀川以北、野沢は高郷村・西会津町の同川以南がおおよその範囲である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報