伊舎那天(読み)イシャナテン

デジタル大辞泉 「伊舎那天」の意味・読み・例文・類語

いしゃな‐てん【伊舎那天】

《〈梵〉Īśāna音写支配者の意》十二天の一。欲界第六天にすむ天神。のちにはシバ神と同一とされる。いさなてん

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精選版 日本国語大辞典 「伊舎那天」の意味・読み・例文・類語

いざな‐てん【伊舎那天】

(伊舎那はĪśāna の音訳。伊邪那、伊那とも書き、伊沙とも略す。支配者の意) 仏語。欲界第六天の主で、大自在天摩醯首羅天(まけいしゅらてん))ともいう。密教胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)では、外金剛院の上首に位する。十二天の一つ、東北方の護法神で、その形は、黒青色で、怒りの三目と上を向いた牙(きば)をもち、首に髑髏(どくろ)瓔珞(ようらく)をかけ、左手には血を盛った器盤、右手には鉾鎗を持ち、黄牛に乗る、とされる。いざな。いしゃなてん。いしゃな。〔秘蔵記(異本)(835頃か)〕

いしゃな‐てん【伊舎那天】

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「伊舎那天」の解説

伊舎那天 いしゃなてん

古代インドの神。
シバ神に由来し,仏教にとりいれられて大自在天の化身とされる。八方天,十二天のひとつで,東北方向の守護神とされ,胎蔵界曼荼羅(まんだら)図の東北隅に配される。一面三目二臂(ひ)で三叉戟(さんさげき)をもち,獣座では牛にのる。京都国立博物館,教王護国寺,奈良の西大寺などに画像がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「伊舎那天」の意味・わかりやすい解説

伊舎那天
いしゃなてん
Īśāna

十二天の一つ。胎蔵界曼荼羅に3つの目をもつ神格として表現され,マヘーシュバラ Maheśvara,シバ神 Śivaと,日本ではイザナギノミコトとも同一視される。

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世界大百科事典(旧版)内の伊舎那天の言及

【十二天】より

…12の天部は四方(東西南北)と四維(南東,南西,北西,北東)の8方と上方,下方の10方位に配置される十尊と日天(につてん),月天(がつてん)である。すなわち,帝釈天(たいしやくてん)(東),火天(かてん)(南東),閻魔天(えんまてん)(南),羅刹天(らせつてん)(南西),水天(すいてん)(西,バルナ),風天(ふうてん)(北西),毘沙門天(びしやもんてん)(北),伊舎那天(いしやなてん)(北東),梵天(ぼんてん)(上),地天(ちてん)(下),日天,月天となる。十二天像は画像で表現される。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」