第六天(読み)ダイロクテン

デジタル大辞泉 「第六天」の意味・読み・例文・類語

だいろく‐てん【第六天】

仏語。欲界六天の第六。他化自在天たけじざいてん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「第六天」の意味・読み・例文・類語

だいろく‐てん【第六天】

[1] 〘名〙 仏語。
① 六欲天(欲界六天)の最高第六位に位する天。この天に生まれたものは他の作りだした楽事を受けて自由に自分の楽とするという。また、魔王の住所とされる。他化自在天(たけじざいてん)
往生要集(984‐985)大文二「以第六天主、比彼土衆生
説経節あいごの若(山本九兵衛板)(1661)初「大ろく天もおそれをなし」
[2]
[一] 江戸時代、魔王をまつった社。江戸浅草平右衛門町(台東区柳橋一丁目)にあった榊神社は、富くじが盛んに興行された所として名高い。
洒落本・妓者呼子鳥(1777)一「ききねい第六天のとみも十四五まい付けておいたが」
[二] 謡曲。五番目物。観世流。作者未詳。解脱上人が伊勢大神宮に行くと、里の女が現われて御裳濯川(みもすそがわ)のいわれを語り、仏法を妨げるものがあろうという神のお告げを伝えて消える。やがて欲界第六天の魔王が群鬼を従えて現われるが、素盞嗚尊(すさのおのみこと)が宝棒でこれを打ち退散させる。

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