五文字(読み)ゴモジ

デジタル大辞泉 「五文字」の意味・読み・例文・類語

ご‐もじ【五文字】

五つ文字。特に連歌俳諧で、発句または平句ひらく中の5音。いつもじ。
雑俳の一。前句付けが縮小されたもので、付句を5文字にしたもの。のちには7字・14字のものが多くなった。五文字付け。五字。

いつ‐もじ【五文字】

五つの文字。ごもじ。
和歌俳句最初の5音。初句

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精選版 日本国語大辞典 「五文字」の意味・読み・例文・類語

ご‐もじ【五文字】

〘名〙
① 五つの文字。特に連歌や俳諧で、発句または平句(ひらく)中の五音をいう。いつもじ。
※俳諧・誹諧名目抄(1759)「いつもじといふべし、ごもじといふ人あり、是はわろし」
談義本・八景聞取法問(1754)一「我々は万才ではなし、大黒舞では有まじ、又五文字(ごモジ)はせず」
③ 娘、少女をいう。
毛利家文書‐弘治三年(1557)一一月二五日・毛利元就自筆書状「五竜之事、是又五もし所之儀、我々ふひんに存候条」 〔譬喩尽(1786)〕

いつ‐もじ【五文字】

〘名〙
① 五つの文字。
古今(905‐914)物名・四三九・詞書「をみなへしといふいつもじを」
② 和歌の最初の五音。短歌の初句。
※今鏡(1170)二「五文字には花まんのとのみ置かるるといふと聞かせ給て」
③ 連歌や俳諧の発句または平句中の長句の、最初の五音。
狂言記箕被(1700)「前句に連歌をやめよといふやり句をいふ。あげ句に出ていね共いはぬにいとまをくれいといふ。出す五文字(イツモジ)から合点がいかぬ」

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