精選版 日本国語大辞典 「乏・羨」の意味・読み・例文・類語
ともし・い【乏・羨】
〘形口〙 ともし 〘形シク〙
② 財物が少ない。貧しい。貧乏である。とぼしい。
※書紀(720)推古一二年四月(図書寮本訓)「乏(トモシキ)者(ひと)の訴は水をもて石に投ぐるに似たり」
③ 珍しくて心がひかれる。めったに見られないくらい、すばらしい。まれなので、新鮮な感じがする。
※万葉(8C後)九・一七二四「見まく欲り来(こ)しくも著(し)るく吉野川音のさやけさ見るに友敷(ともしく)」
④ 自分にはないものを持っている人などをうらやましく思う。
ともし‐げ
〘形動〙
ともし‐さ
〘名〙
ともし‐・む【乏・羨】
〘他マ下二〙 もの足りなく思わせる。飽き足りない思いをさせる。
※万葉(8C後)一〇・二〇一七「恋ひしくはけ長きものを今だにも乏之牟(ともシム)べしや逢ふべき夜だに」
ともし‐・ぶ【乏・羨】
〘自バ上二〙 ともしいと思う。うらやましく思う。めずらしいと思って心が引かれる。
※万葉(8C後)一七・四〇〇〇「万代の 語らひ草と いまだ見ぬ 人にも告げむ 音のみも 名のみも聞きて 登母之夫流(トモシブル)がね」
[補注]→「ともしむ(乏)」の補注
ともし【乏・羨】
〘形シク〙 ⇒ともしい(乏)
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