串良町(読み)くしらちよう

日本歴史地名大系 「串良町」の解説

串良町
くしらちよう

面積:六五・八六平方キロ

大隅半島の中央部、肝属郡の北端に位置し、東はおおむね串良川を境として東串良町、南から南西にかけては肝属川とその支流中山なかやま川に沿って高山こうやま町、西は鹿屋かのや市、北東は曾於そお大崎おおさき町に接する。南北に細長い内陸の町で、町域の大部分は笠野原かさのはら台地東部に位置し、台地南東部の大塚おおつか山以外山地らしいものはない。台地縁辺は湧水に恵まれる。ほかに甫木ほのき川・柳谷やなぎだに川が台地を南東流して肝属川に合流する。町域南寄りを東西に国道二二〇号が走り、北部寄りを鹿屋市から細山田ほそやまだを経て宮崎県都城市に至る国道二六九号が南東から北西へ走り、主要地方道高隈たかくま―串良道などが分岐する。大正一〇年(一九二一)に私鉄大隅鉄道が高山から串良まで延長されて当町南東端を通り、同一二年古江ふるえ駅が開設された。昭和一〇年(一九三五)には同鉄道は国鉄古江線となり、一〇月には志布志しぶしまで開通、同二二年には下小原しもおばる駅が開設、同四七年には国分まで開通して大隅線と改称された。同六二年廃線となった。

遺跡は町の全域にわたって存在しているが、とくに笠野原台地の縁辺部に集中している。縄文時代の遺跡には岡崎の古園おかさきのふるぞの遺跡や上小原の上小牧かみこまき遺跡が知られ、早期の遺物が出土している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報