中次・中継(読み)なかつぎ

精選版 日本国語大辞典 「中次・中継」の意味・読み・例文・類語

なか‐つぎ【中次・中継】

〘名〙
[一] 中途でつなぎ合わせること。また、そのもの。
① 竿、キセル尺八三味線の棹・むしろなどを中間で継ぎ合わせるようにしたもの。また、その継ぎ合わせの部分。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※雑俳・唐子おどり(1704‐16頃)「中継のきせるで馬士を見違」
薄茶器の一種。円筒形漆器で、蓋(ふた)と身の合わせ口が胴のほぼ中間にあるもの。また、その形に似た入れ物
御伽草子・酒茶論(古典文庫所収)(室町末)「茶具の体を見わたせば、からのかたつき、大なつめ、やらう、大かい、中つぎに」
③ 二つの間をつなぐこと。また、そのもの。「中継ぎのピッチャー
落語・明烏(1892)〈三代目春風亭柳枝〉「御稲荷様まで往(い)くには途中で中次(ナカツギ)を為被為(しなさ)るだらう」
[二] 両者の間に立って取次ぎ、仲介をするもの。
① 二者の間に立って取り次ぐこと。また、その人。とりつぎ。
※歌舞伎・当龝八幡祭(1810)三幕「わしゃア質屋の手代、ぜけん中次(ナカツギ)ではあるまいし」
② 家督相続者が幼いことなどで、他の人が一時代わって相続すること。また、その人。
江戸から東京へ(1922)〈矢田挿雲〉七「庄之助殿を守り立てて鳥居家を嗣がせる迄の中嗣(ナカツギ)として仮に自分が据りませう」
江戸時代生産者問屋、または、問屋と小売商との中間に介在し、それぞれ依頼者名義で小量取引を契約すること。また、それをする人。牙儈(すあい)

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