上原城跡(読み)うえはらじようあと

日本歴史地名大系 「上原城跡」の解説

上原城跡
うえはらじようあと

[現在地名]茅野市ちの 上原

諏訪氏の山城跡(県史跡)で、上原村の北東部、諏訪盆地を一望する金比羅こんぴら山頂にある。平坦部からの比高は約二〇〇メートル。北は永明寺えいめいじ山に連なり、北西に二キロ隔てて桑原くわばら(現諏訪市)南方には諏訪盆地を東から西へ貫流するかみ川・みや川を隔てて諏訪大社上社前宮大祝家の拠城樋沢ひざわ城と相対している。遺構松林に囲まれ、主郭・土居・曲輪・空堀などを存し、大手側中腹段丘の通称板垣平いたがきだいら(約一ヘクタール)から麓にかけて館跡があり、主郭の南側には永明寺山より地下を木管によって引水がされている。

築城の年代はつまびらかでないが、守矢満実書留の文正元年(一四六六)二月条に「御頭上原諏方安芸信満勤仕候」とあり、室町時代の中頃には諏訪惣領家が上原城とその館において諏訪地方の豪族団を統御していたことがうかがわれる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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