松林(読み)しょうりん

精選版 日本国語大辞典 「松林」の意味・読み・例文・類語

しょう‐りん【松林】

〘名〙 松の林。まつばやし。
懐風藻(751)秋日於長王宅宴新羅客〈安倍広庭〉「山牖臨幽谷、松林対晩流」 〔杜甫‐大覚高僧蘭若詩〕

まつ‐ばやし【松林】

〘名〙 松の木の林。
地方凡例録(1794)二「松林は別の木を不交、松計うゑてよし」

まつばやし【松林】

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デジタル大辞泉 「松林」の意味・読み・例文・類語

まつ‐ばやし【松林】

松の木の林。
[類語]木立森林密林ジャングル山林雑木林林野樹海樹林保安林防風林防雪林砂防林防砂林原生林原始林熱帯雨林熱帯降雨林熱帯林温帯林寒帯林紅樹林マングローブ広葉樹林針葉樹林落葉樹林照葉樹林杉林梅林竹林

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改訂新版 世界大百科事典 「松林」の意味・わかりやすい解説

松林 (しょうりん)
Song(r)nim

朝鮮民主主義人民共和国黄海北道北部の都市。大同江の河口から60km上流にあり,河港を中心とする貿易および工業の都市である。松林港付近の大同江は水深が深く,大型船舶が海から直接進入できる天然の良港をなす。李朝時代末まで寒村にすぎなかったが,日露戦争のとき,京義線敷設のため鉄道資材揚陸地を物色していた日本軍がここに目をつけ,黄州までの間に鉄道を建設してから,大同江沿辺の農産物,鉱山物集散地として発達しはじめた。1917年,朝鮮最初の製鉄所が建設され,工業都市に変貌した。原料の鉄鉱石は載寧鉄山から水運を利用して運ばれ,コークス炭は中国から輸入された。日本植民地時代には町も製鉄所も兼二浦の名で呼ばれた。独立後,松林市と改名,製鉄所は黄海製鉄所となった。この製鉄所は当初年産15万tの生産規模だったが,朝鮮戦争後拡張工事を重ね,東部の金策製鉄所とともに北朝鮮の二大総合製鉄所となっている。かつて輸入に依存していた原料炭を国内の無煙炭や褐炭に代替するなどの技術開発も進められている。松林港は1973年に貿易港として開港され,拡張工事の結果,1万トン級の船が接岸できるようになり,鉄鋼,米など主要輸出品を扱っている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「松林」の意味・わかりやすい解説

松林
しょうりん / ソンリム

北朝鮮、黄海北道(こうかいほくどう/ファンヘプクド)北西部にある工業都市。大同江(だいどうこう/テドンカン)下流の左岸に位置する。もと大同江岸の一漁村であったが、川幅が広く水深が深いところから、日本が日露戦争遂行のため京義線(ソウル―新義州(しんぎしゅう/シンイチュ))建設の鉄道資材の陸揚げ場に使っていた。それ以来、陸揚げ責任者の渡辺兼二の名をとって兼二浦(けんじほ)と改名した。その後、三菱(みつびし)系の兼二浦製鉄所が設置され、黄海道一帯の鉄鉱石が集中され、溶鉱炉と平炉1基が稼動していた。朝鮮戦争で灰燼(かいじん)に帰したが、その後、北朝鮮の代表的な冶金(やきん)工業基地として再建された。銑鉄をはじめ各種の鋼鉄、圧延鋼材を生産し、ベンジン硫酸アンモニウムも生産している。工場内には従業員の労働大学、病院、娯楽施設などがある。市街地には松林工業大学がある。

[魚 塘]

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百科事典マイペディア 「松林」の意味・わかりやすい解説

松林【しょうりん】

朝鮮民主主義人民共和国,黄海北道,大同江下流左岸,平壌特別市の南40kmにある市。旧名は兼二浦。日露戦争当時,日本軍が物資揚陸のため鉄道を敷設したことが契機となって発展,1917年には朝鮮最初の製鉄所が建設され,鉄鋼都市となった。朝鮮戦争で破壊されたが,戦後復旧され,現在年間銑鉄55万t,鋼50万tの生産能力をもつ黄海製鉄所がある。
→関連項目黄海南道黄海北道

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普及版 字通 「松林」の読み・字形・画数・意味

【松林】しようりん

松の林。

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