七宗町(読み)ひちそうちよう

日本歴史地名大系 「七宗町」の解説

七宗町
ひちそうちよう

面積:九〇・九〇平方キロ

加茂郡北部に位置し、平均標高一四〇メートル、面積の九〇パーセント以上が山林で、飛騨川とその支流神淵かぶち川の流域に広がる山間地帯。古代は武藝むげ郡の菅田すがた郷、あるいは御佩みはかし郷であったと推定されている。中世には神淵郷は摂関家領武儀むぎ庄に含まれていた。延慶年間(一三〇八―一一)土岐頼貞が一山一寧を招いて神淵山龍門りゆうもん寺を創建している。戦国末期には神淵も上麻生かみあそうも桑原右近衛門尉の所領となっていた。近世に入って武儀郡七宗山が金森長近領となるが、近辺の村々も金森氏の領地となったと思われる。長近の死後、慶長一四年(一六〇九)幕府領となる。南東端の飛騨川左岸の川並かわなみ地区は加茂郡に属し、上吉田かみよしだ(一部は現八百津町)の一部であった。元和元年(一六一五)全村尾張藩領となり、近世を通じて同藩領。

神淵村の東、上麻生村の北には七宗山がそびえている。この山はほぼ南北に標高六五〇メートル前後の、中の権現なかのごんげん御手洗みたらい細洞ほそぼら白川しらかわ大槻おおつき水晶すいしようかねヶ嶽の七峰からなる山脈を連ねている。七宗山の名称もこの七峰の連なることから起こったと伝える。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「七宗町」の意味・わかりやすい解説

七宗〔町〕
ひちそう

岐阜県南部,飛騨川沿いの町。 1971年町制。町域の大部分が山林で,木材多産神淵神社の大スギ,飛水峡の甌穴 (おうけつ) 群はともに天然記念物。飛騨川をはさんで JR高山本線,国道 41号線が通り一帯飛騨木曾川国定公園に属する。面積 90.47km2。人口 3402(2020)。

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