ヤク・ユ・よぶ・やわらげる(漢字)

普及版 字通 の解説


26画

(異体字)
32画

[字音] ヤク・ユ
[字訓] よぶ・やわらげる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は龠(やく)。龠は籥、三孔のある編管の笛。頁(けつ)は儀礼の際の礼容を示す字。龠は神事に用いるもので、は神降しの際の神事をいう字であろう。と通用し、〔説文〕九上に「は呼ぶなり」とあり、〔書、泰誓中〕に「無辜(むこ)(罪なきもの)にして天を(よ)ぶ」と天に訴える意に用いる。〔説文〕に〔書、盤庚上〕「衆(しゆうせき)に(したが)ひ(やは)らぐ」の文を引き、和協の意があるとする。金文の〔番生(ばんせいき)〕に「大(かな)へしむ」とある(やく)は、の初文かと思われる字であるが、力(耒(すき)の象形)を用いるに当たって、楽を奏して祓う意象の字であろう。ゆえに和協の意となる。〔周礼、春官〕の〔籥師〕〔籥章〕に、農祭に籥を用いることがみえている。鄒衍(すうえん)が律呂を按じて、農時の寒温を和したというのも、そのような儀礼に関するものであろう。

[訓義]
1. よぶ、神をよぶ。
2. やわらぐ、やわらげる。

[古辞書の訓]
名義抄 ヨバフ・ヤハラグ 〔字鏡集 ヤハラグ・イフク・ヨバフ

[熟語]

[下接語]
・手・率

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報