ビリベルジン(英語表記)biliverdin

翻訳|biliverdin

デジタル大辞泉 「ビリベルジン」の意味・読み・例文・類語

ビリベルジン(biliverdin)

胆汁に含まれる緑色色素両生類鳥類草食動物胆汁色素主成分ヒトの場合、肝硬変などの肝臓病になると血清中に認められるほか乳児緑便にも見られる。胆緑素デヒドロビリルビン

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改訂新版 世界大百科事典 「ビリベルジン」の意味・わかりやすい解説

ビリベルジン
biliverdin



胆汁色素の一つ。緑色を呈するので胆緑素とも呼ばれる。ヘモグロビン血色素)の代謝中間産物であり,ヘモグロビンからベルドヘモグロビンを経て生成され,さらに還元されるとビリルビンになる。肝臓から胆汁をとりだすと,最初はビリルビンの存在により黄金色を呈するが,放置すると酸化が進み,ビリベルジンが生成し,緑色を呈するようになる。草食動物の胆汁では,肉食動物に比べてビリベルジンの量が多い。
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化学辞典 第2版 「ビリベルジン」の解説

ビリベルジン
ビリベルジン
biliverdin

C33H34N4O6(582.66).両生類や鳥類の胆汁色素の主成分で胆緑素ともいう.生体中でのヘモグロビンの正常一次代謝産物で,ビリルビンの酸化によって合成される.紫色光沢をもつ,暗緑色の柱状または板状結晶.300 ℃ 以上でも安定である.λmax 392,640 nm(メタノール).メタノール,エーテルクロロホルム,二硫化炭素,ベンゼン可溶.グメリン反応は陽性エールリヒ反応は陰性である.酢酸亜鉛とヨウ素で強い緑色蛍光を発する.[CAS 114-25-0]

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栄養・生化学辞典 「ビリベルジン」の解説

ビリベルジン

 C33H34N4O6 (mw582.66).

 胆緑素,デヒドロビリルビンともいう.ヘム分解により生じる胆汁色素の代謝生成物.緑色を呈する.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビリベルジン」の意味・わかりやすい解説

ビリベルジン
biliverdin

胆汁色素の一種。暗緑色の柱状または板状晶として得られる。両生類や鳥類の胆汁中に存在するが,ヒトの胆汁中にはない。ただし胆管閉塞症や肝硬変のヒトの血清中に含まれ,また乳児の緑色便の色成分でもある。メタノール,エーテル,ベンゼンに可溶。生体内ではヘモグロビンの色素部分であるヘムが分解して,ビリルビン (代表的な胆汁色素。赤褐色) とともに生成する。

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