カーコーディ(英語表記)Kirkcaldy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カーコーディ」の意味・わかりやすい解説

カーコーディ
Kirkcaldy

イギリススコットランド東部,ファイフ南部の都市。北海の入り海フォース湾の北岸に位置する。1450年に勅許都市となり,15~16世紀には商業中心地,港町として発展,特に食塩の取り引きが盛んであった。18世紀にはジャコバイト反乱やアメリカ植民地の独立などの影響によって貿易が衰退したが,19世紀に入ってリネン工業で復興し,19世紀後半リノリウム工業の発達により最盛期を迎えた。その後プラスチックやビニルが敷物用に用いられるようになったため,リノリウム工業は衰退し,工場地帯の大部分は住宅地として再開発された。今日ではおもに麦芽,リネン,ロープ,家具,電気器具などが製造される。経済学者アダムスミスの生地。人口 4万7090(2004推計)。

カーコーディ
Kirkcaldy, Sir William

[生]1520.2.3.
[没]1573.8.3. エディンバラ
スコットランドの軍人新教徒で,1546年 N.レズリーと共謀して枢機卿 D.ビートン殺害。 67年メアリー・スチュアートボスウェル (伯)結婚に反対して蜂起した貴族たちのリーダーになり,カーベリーヒルに対決して彼女を捕えたが,その後は彼女の支持者になり,68年から摂政マレー伯の軍に抗してエディンバラを守り抜いたが,ついに屈して処刑された。

カーコーディ
Kirkcaldy

イギリススコットランド東部,ファイフ東部の旧地区名。1975年の自治体再編でファイフ県に属する一地区として新設,1996年同県の単一自治体(カウンシルエリア council area)への移行に伴い廃止

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改訂新版 世界大百科事典 「カーコーディ」の意味・わかりやすい解説

カーコーディ
Kirkcaldy

イギリス,スコットランド東部,ファイフ州南部の工業都市。人口14万9000(1993)。フォース湾をはさんでエジンバラ対岸に位置し,良港をなす。ファイフ炭田の中心にあたり,石炭積出港として繁栄したが,現在はリノリウム,油布工業のほか,捺染,農業機械などの工業が発展している。アダム・スミスの出生地であり,《国富論》はこの地で書かれた。文学者のT.カーライルやE.アービングも一時この町で教師をしていた。
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