とと姉ちゃん(読み)ととねえちゃん

知恵蔵 「とと姉ちゃん」の解説

とと姉ちゃん

NHKのドラマシリーズ「連続テレビ小説」第94作で、2016年度上半期(4月4日~10月1日)に放送。3姉妹が父の死を乗り越えて成長し、戦後に雑誌「あなたの暮し」を創刊、編集者として活躍するドラマを、長女・小橋常子の視点から描く。ヒロインモデルは雑誌「暮しの手帖」を創刊した大橋鎭子(しずこ)で、原案は『「暮しの手帖」とわたし』(大橋鎭子著、暮しの手帖社)。西田征史が脚本を手掛ける。常子役は高畑充希(子役は内田未来)、3姉妹の父・竹蔵を西島秀俊、母・君子を木村多江が演じる。
ドラマは昭和初期の静岡県遠州地方を舞台にスタート。幼い頃の常子と妹の鞠子(まりこ)、美子(よしこ)は、染工会社で働く父、優しい母と仲良く暮らしていたが、1932年(昭和7年)に竹蔵が結核で他界してしまう。常子は父の遺言により、11歳ながら「父(とと)の代わり」となって一家を支えることを決心する。
その後、小橋一家は母方の祖母・滝子(大地真央)を頼って東京・深川に上京するも、第2次世界大戦により、東京は焼け野原となる。常子は女学校を卒業した後、新聞社に入社し、編集作業を学んでいた。戦後の復興を目指す中で常子は「これからの世の中は女の人たちが幸せにならなければいけない」と決心し、女性向けの雑誌の創刊を思い立つ。
常子は新聞社の上司の紹介で、編集者・花山伊佐次(唐沢寿明)と出会い、花山や姉妹と共に小さな出版社を立ち上げて、雑誌「あなたの暮し」を創刊する。「あなたの暮し」は、幼い頃父が教えてくれた「当たり前の暮らしの大切さ」をテーマに、ファッションや料理、健康、商品テストの結果などの情報を伝える内容である。雑誌は女性に向けた生活の指針として認知されていく。
花山のモデルは、「暮しの手帖」の創業者で初代編集長の花森安治。花森は編集者、グラフィックデザイナージャーナリスト、コピーライターなどとして活躍した。大橋の2人の妹・晴子、芳子も「暮しの手帖」の創刊メンバーであり、「とと姉ちゃん」に登場する小橋姉妹のモチーフとなっている。

(若林朋子 ライター/2016年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

知恵蔵mini 「とと姉ちゃん」の解説

とと姉ちゃん

NHKのドラマシリーズ「連続テレビ小説」第94作。2016年度前期(同年4~10月)放映予定。脚本は西田征史。戦後、一世を風靡(ふうび)した生活総合月刊誌「暮しの手帖」創業者の一人である大橋鎭子(しずこ)をモチーフに、女性ばかりの4人家族が激動の昭和をたくましく生き抜く姿を描く。亡くなった父親の代わりに家族を支えて奮闘するヒロインの「とと姉ちゃん」こと小橋常子(こはしつねこ)役に高畑充希が内定している。

(2015-8-25)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

デジタル大辞泉プラス 「とと姉ちゃん」の解説

とと姉ちゃん

NHKのドラマシリーズ「朝の連続テレビ小説」の作品のひとつ。2016年4月~10月放映。脚本:西田征史、音楽:遠藤浩二、主題歌:宇多田ヒカル。出演:高畑充希、唐沢寿明、杉咲花ほか。ヒロインは、生活雑誌「暮しの手帖」創刊者の大橋鎭子(しずこ)をモデルとする。

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