こぶ

精選版 日本国語大辞典 「こぶ」の意味・読み・例文・類語

こぶ

〘名〙 「くも(蜘蛛)」の異名。〔日葡辞書(1603‐04)〕

こ・ぶ

〘自バ上二〙 ⇒こびる

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デジタル大辞泉 「こぶ」の意味・読み・例文・類語

こ・ぶ

[動バ上二]こびる」の文語形

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「こぶ」の意味・わかりやすい解説

こぶ
こぶ / 瘤

俗にたんこぶともよばれ、体の表面および体内に認められる塊状の物質を、一括して「こぶ」とよぶ慣習があるが、病理学的には腫瘤(しゅりゅう)状の病変の総称名である。つまり、打撲などの外傷で皮下組織に出血した血液がひとかたまりとなる血腫も、また炎症によって、ある組織が限局性に腫脹(しゅちょう)した部位も、さらに種々の腫瘍(しゅよう)も、すべて「こぶ」と認識されるわけである。皮膚および皮下組織にみられる表皮嚢腫(のうしゅ)、毛嚢や皮脂腺(せん)におこる粉瘤(ふんりゅう)、皮下組織の組織異常を伴う嚢胞である類皮嚢腫、皮下組織に発生する脂肪腫などの良性腫瘍が、体表に認められる「こぶ」の代表である。また特別の臓器・組織にみられる病変も「こぶ」とよばれることが少なくない。たとえば、耳下腺に発生する多形性腺腫(従来はいわゆる良性混合腫瘍とよばれていた)も、リンパ節の炎症・腫瘍も、甲状腺・乳腺の病変、および腹腔(ふくくう)内にある臓器の腫瘍も、多くの患者は「こぶ」が発生したという自覚症状を訴えるのが実際である。体表に認められる「こぶ」の場合は、出血とか炎症とかに関係する他の所見存在によってその性格を判断することができるが、体内および体腔内に存する場合は、その区別は比較的困難である。とくに腫瘍の性格をもつものは当然、良性腫瘍ばかりでなく、悪性腫瘍であることもあり注意を要する。

渡辺 裕]

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