デジタル大辞泉
「おめおめ」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
おめ‐おめ
〘副〙 (多く「と」を伴って用いられる) 恥じるべき事と感じても、
勇気がないため、また、恐れなどから、恥をそそぐことをしないさまを表わす語。転じて、恥しらずのさま、恥を感じないで平然としているさまを表わす語。のめのめ。
※金刀比羅本保元(1220頃か)中「景能おめおめとなりて〈略〉
怠状をしければ」
※
浄瑠璃・心中天の
網島(1720)中「おめおめ太兵衛にそふ物か」
[語誌](1)動詞「おむ(怖)」の連用形を重ねたもので、中古の「おづおづ(怖怖)」より遅く発生し、中世以降用いられたと考えられる語。
(2)早い例は
軍記物に認められ、
戦いの中で
武士が敵、あるいは
不仲な相手に
屈伏することに関して用いられているが、必ずしも屈伏を恥ととらえる例ばかりではない。
(3)時代が下るにつれて、恥を甘受するさま、さらには、恥を知らぬさまをはっきりと指すようになり、批判的な意味合いを強めていった。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報