PCP(読み)ピーシーピー

デジタル大辞泉 「PCP」の意味・読み・例文・類語

ピー‐シー‐ピー【PCP】[porous coordination polymer]

porous coordination polymer》⇒多孔性配位高分子

ピー‐シー‐ピー【PCP】[Pneumocystis pneumonia]

Pneumocystis pneumonia》⇒ニューモシスチス肺炎

ピー‐シー‐ピー【PCP】[pentachlorophenol]

pentachlorophenolペンタクロロフェノール防腐剤一種。以前は、除草剤殺菌剤などの農薬としても用いられていたが、現在は農薬としての使用は禁止されている。

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改訂新版 世界大百科事典 「PCP」の意味・わかりやすい解説

PCP (ピーシーピー)



フェノール系の殺菌剤で除草剤としても広く用いられた。pentachlorophenolの略で,融点191℃の無色の結晶である。ナシの黒斑病,黒星病,赤星病,ブドウの黒痘病,ミカンのそうか(瘡痂)病,かいよう(潰瘍)病,カキの黒星病,炭疽たんそ)病,モモの縮葉病,黒星病などの果樹病害の防除に使用された。また,植物に対しては非選択的に殺草性を示す。PCPを田植直後の水田に散布すると,水田の土壌表面に吸着され,そこで生育を始めたメビエなどイネ科雑草を非選択的に除草するが,田植によって土壌の中に深く植えこまれたイネの生長点には影響を与えない。このような施用法で選択的な除草を行うことができる。しかし,魚毒性が高いこと,また,より有効な選択的除草剤が開発されたため,現在では水田除草剤としては使用されない。PCPは細胞のエネルギー代謝における電子伝達系に対する脱共役剤として作用する。PCPの哺乳類に対する急性毒性は,50%致死量LD50=100mg/kg(ラット経口),魚毒は50%致死濃度LC50=0.2~0.6ppmと強く,水質汚濁性農薬に指定されたが,現在では農薬登録からはずされている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「PCP」の意味・わかりやすい解説

PCP
ピーシーピー
pentachlorophenol

分子式 C6Cl5OH 。白色結晶,融点 190℃,水に難溶,有機溶媒に可溶。ナトリウム塩は1分子の結晶水をもつ白色粉末で,水によく溶ける。除草剤,農作物殺菌剤として用いられる。劇物。水質汚濁性農薬。非ホルモン型接触性の土壌処理剤。呼吸における酸化的リン酸化過程を妨げ,生体エネルギーの生成を阻害する。この機構は生物界と共通であり,特に魚類に対する毒性がきわめて強い。

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内科学 第10版 「PCP」の解説

PCP

Pneumocystis pneumonia,ニューモシスチス肺炎

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世界大百科事典(旧版)内のPCPの言及

【除草剤】より

… ピペロホス,ブタミホスなどの有機リン酸エステル系除草剤は,植物の生長点の細胞分裂や,伸長阻害によって幼植物に対して選択的殺草効果を示す。 フェノール系除草剤であるPCPは殺菌力を有する。水田のノビエの防除によく用いられていたが,魚毒性が大きい欠点を有し,現在では使用されない。…

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