朝日日本歴史人物事典 「黒沢琴古(初代)」の解説
黒沢琴古(初代)
生年:宝永7(1710)
江戸中期の尺八琴古流の流祖。本名幸八。黒田美濃守の家臣であったという。詳しい経歴は不明。若くして普化宗に入り,江戸にあっては尺八の名手として,普化宗両本寺(一月寺,鈴法寺)の 吹合(尺八指南役)を務めた。自身による曲の案出のほか,それまで虚無僧などによって伝えられていた多くの尺八曲を収集整理し,30曲余りを流曲として制定,琴古流の基礎を築いた。尺八の製管もよくし,現在残るその作品数管は音楽学の史料としても貴重。弟子には,一閑流を唱えた宮地一閑などがいる。<参考文献>栗原広太『尺八史考』(復刻,1975)
(瀬山徹)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報