普及版 字通 「黍(漢字)」の読み・字形・画数・意味
黍
12画
[字訓] きび
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
禾(か)+水。〔説文〕七上に「禾の屬にして黏(ねば)りあるなり。大を以て種(う)う。故に之れを黍と謂ふ。禾に從ひ、雨(う)の省聲なり」とするが、卜文は禾と水とに従う。黍酒を作る意であろう。卜辞に「黍は年(みのり)を受(さづ)けられんか」と卜する例が多い。祭祀には黍稷(しよしよく)や黍酒を多く用いた。〔書、君陳〕「黍稷馨(かんば)しきに非ず。惟(こ)れ馨し」の語がある。祭器のは、黍稷を盛(い)れるものであった。
[訓義]
1. きび。
2. 黍酒、その器。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕黍 キビ 〔字鏡〕黍 キビ・アハ 〔字鏡集〕黍 キビ・アカキビ・ネヤス
[語系]
〔説文〕に「大を以て種(う)う」とするのは、黍・(暑)sjiaの同音による音義説である。黍の古名「きみ」は黄色の実の意。黍の声も、あるいは赭tjya、朱tjioなどと関係があるかもしれない。
[熟語]
黍▶・黍▶・黍禾▶・黍▶・黍粢▶・黍尺▶・黍▶・黍穣▶・黍稷▶・黍薦▶・黍▶・黍飯▶・黍苗▶・黍▶・黍離▶・黍粱▶・黍累▶
[下接語]
委黍・禾黍・秬黍・鶏黍・黄黍・膏黍・十黍・嘗黍・稷黍・炊黍・赤黍・団黍・豆黍・登黍・麦黍・離黍・累黍
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報