鳥屋出(読み)トヤデ

デジタル大辞泉 「鳥屋出」の意味・読み・例文・類語

とや‐で【鳥屋出】

鳥屋の中にこもっていたタカが、羽毛が抜け替わって、鳥屋から出ること。
鳥が巣や鳥小屋から飛び出していくこと。
「―のわしにかつゑ」〈浄・吉岡染
梅毒をわずらっていた遊女が治癒して病床を出ること。
大部屋へ―の鷹をつれてくる」〈柳多留・九〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鳥屋出」の意味・読み・例文・類語

とや‐で【鳥屋出】

〘名〙
① 鳥屋ごもりしていた鷹が羽毛が抜けかわって鳥屋から出ること。脱毛した鷹で、はじめて新しく毛の生えかわったのを片鳥屋(かたとや)、二歳毛をかえるのを両鳥屋(もろとや)、三歳を両片返(もろかたかえり)という。
※宝治百首(1248)恋「いかにせんとやでの鷹のあふ事もまれなるこひにかかりそめなば〈藤原家良〉」
② 鳥が巣や鳥小屋から飛び出ること。
浄瑠璃傾城吉岡染(1710頃)紙子雛形「とや出のわしがゑにかつゑ、みやまをさがす所に」
③ 梅毒をわずらっていた遊女がなおって病床を出ること。
浮世草子・傾城仕送大臣(1703)六「扨はいにしへ川竹の、とや出の果とがてんして」

とや‐だし【鳥屋出】

〘名〙 鳥屋ごもりをしていた鷹を、その時期が終わって鳥屋から出すこと。とやいだし。
※正治初度百首(1200)冬「暮ぬ共はつとやたしのはし鷹をひとよりいかが合せざるべき小侍従〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android