香料の道-ネゲヴ砂漠都市(読み)こうりょうのみちネゲヴさばくとし

世界遺産詳解 の解説

こうりょうのみちネゲヴさばくとし【香料の道-ネゲヴ砂漠都市】

2005年に登録された世界遺産(文化遺産)。ネゲヴ砂漠都市は、イスラエル南部のネゲヴ地方の、以前ナバタイ王国が栄えたハルザ、マムシット、アヴダット、シヴタの4つの砂漠都市群。香料の道は、この4つの町を経由する、香料や香辛料を運ぶ道で、紀元前3~後2世紀にかけ古代ナバタイ人が通過した交易路である。イスラエルの南部地方に住むローマ人やギリシア人など、地中海沿岸の富裕階級を対象に、乳香と死体防腐剤に用いるミルラを南アラビアから運ぶ交易により、この一帯は繁栄し、高度な灌漑システムも持っていた。都市、要塞隊商宿などの遺跡が残っている。これらが人類の歴史上、重要な時代を例証するものとして、世界遺産に登録された。◇英名はIncense Route-Desert Cities in the Negev

出典 講談社世界遺産詳解について 情報