香宗川(読み)こうそうがわ

日本歴史地名大系 「香宗川」の解説

香宗川
こうそうがわ

大忍おおさと川ともいい、香我美かがみ別役べつちやくに発し、西南流して野市町なかむら下地しもじ山北やまぎた(貝添川)を合せ、南流して赤岡あかおか町に入る。全長約二〇キロで、川幅は最も広いところで約二五メートル。嘉元四年(一三〇六)四月一六日付の中原重通地頭職譲状(香宗我部家伝証文)に「大里庄堺鎌田縄手」とある鎌田かまだは、香宗川下流堤防の東にある野市町土居どいの地名で、応安元年(一三六八)一一月七日付の源義信裁許状(同上)に「大忍庄与香宗我部郷与堺笠原小条之事」とある笠原かさはら香我美山北西端の地名で野市町と境を接している。これにより、山北川が野市町に入る地の北と、香宗川がほぼ真南に流れる赤岡町・香我美町境の下流を結ぶ線が、ほぼ大忍庄(現香我美町など)香宗我部こうそがべ郷の境界であったことがわかる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報