餞(漢字)

普及版 字通 「餞(漢字)」の読み・字形・画数・意味


17画

[字音] セン
[字訓] はなむけ・おくる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は戔(せん)。〔説文〕五下に「去るものをなり」(段注本)とあって、送行の宴をいう。〔詩、風、泉水〕「(でい)(地名)に飮餞す」の〔伝〕に「(出行の祭)して舍(しやばつ)(出発式)す。其の側に飮酒するを餞と曰ふ」とあって、魂振り的な意味で行われるものであった。すべて迎えることを賓といい、送ることを餞という。

[訓義]
1. はなむけ、うまのはなむけ。
2. おくる、旅ゆく人をおくる、酒食もて送る。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕餞 馬乃牟介(うまのはなむけ)〔名義抄〕餞 オクリ・ムマノハナムケ・イツハル

[語系]
餞dzhiam、(進)tzienは声近く、〔爾雅、釈詁〕に「餞はなり」とみえる。進は鳥占(とりうら)によって進行を卜することをいう。(薦)tzian、祭tziatも声に通ずるところがあり、餞がもと儀礼として行われたものであることが知られる。

[熟語]
餞飲・餞餞宴餞行餞酌・餞春餞席餞送餞別餞路
[下接語]
慰餞・寅餞・飲餞・宴餞・恩餞・餞・供餞・餞・傾餞・迎餞・言餞・郊餞・降餞・詩餞・賜餞・受餞・出餞・勝餞・盛餞・祖餞・送餞・餞・追餞・野餞・予餞・留餞・臨餞・礼餞・労餞

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報