(読み)ずい

精選版 日本国語大辞典 「随」の意味・読み・例文・類語

ずい【随】

〘名〙
① (形動) (「気随(きずい)」の略) 気の向くままにすること。気ままなこと。また、そのさま。勝手。
※兼載雑談(1510頃)「心敬云、老たる徳は、老の連歌すいにすることありしとなり」
※波形本狂言・忠喜(室町末‐近世初)「伜の時分からずいにそだった物じゃによってあのやうな事じゃ」
② 易の六十四卦の一つ、。上卦は兌(だ)(沢)、下卦は震(しん)(雷)。沢雷随ともいう。兌は悦を、震は動を表わし、君主が動いて天下の民がよろこび随(したが)うさまを示す。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「随」の意味・読み・例文・類語

ずい【随〔隨〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]ズイ(呉) [訓]したがう まま まにまに
他人の後にそのままついていく。「随員随行随従随伴追随付随夫唱婦随
成り行きにまかせる。「随意随時随想随筆気随
[名のり]あや・みち・ゆき・より
[難読]随神かんながら随意まにま

ずい【随】

[名・形動ナリ]《「気随」の略》勝手気ままであること。また、そのさま。自由勝手。
「子ヲ―ニ習ワカス」〈日葡

まに‐ま【随/随意】

他の意志や事態の成り行きに従うさま。
「大君の命の―ますらをの心を持ちてあり巡り」〈・四三三一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版 「随」の意味・わかりやすい解説

ずい【随 Suí】

中国,周代諸侯国の一つ。姓は姫,爵は侯。春秋時代を通じて存続し,戦国の初めに楚に滅ぼされたと考えられるが,封建された時代や事情などについては不明な点が多い。都邑は現在の湖北省随県とみる説が有力。しかし随県城の北西にある前5世紀ころの古墓(曾侯乙墓(そうこういつぼ))から〈曾侯〉の銘のある青銅器が出土しており,随と曾との関係が論議されている。なお,隋・唐の隋とは,楊堅(文帝)の父の楊忠が北周のとき随国公に封ぜられたことによる命名とされる。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

今日のキーワード

線状降水帯

線状に延びる降水帯。積乱雲が次々と発生し、強雨をもたらす。規模は、幅20~50キロメートル、長さ50~300キロメートルに及ぶ。台風に伴って発達した積乱雲が螺旋らせん状に分布する、アウターバンドが線状...

線状降水帯の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android