阿弥陀胸割(読み)アミダノムネワリ

デジタル大辞泉 「阿弥陀胸割」の意味・読み・例文・類語

あみだのむねわり【阿弥陀胸割】

古浄瑠璃本地物ほんじもの六段。六字南無右衛門作といわれ、慶長19年(1614)上演記録がある。他人難病を治すため、娘が自分生き肝をささげようとすると、阿弥陀身代わりになって、その胸から血を流す。

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改訂新版 世界大百科事典 「阿弥陀胸割」の意味・わかりやすい解説

阿弥陀胸割 (あみだむねわり)

説経節曲名。《三壺聞書(さんとうききがき)》の慶長18年(1613)の条に上(浄)瑠璃として上演された記録があるが,古浄瑠璃正本に慶安4年(1651)板《むねわり》がある。説経節には天満(てんま)八太夫の正本が貞享から宝永(1684-1711)にかけて3本ある。大万長者の子,松若の病を治すために生胆を差し出した天寿という女性が,阿弥陀の身代りで救われる霊験譚である。阿弥陀の胸から膝にかけて人間と同じ血が流れていたというところに宗教的な感動がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「阿弥陀胸割」の意味・わかりやすい解説

阿弥陀胸割
あみだのむねわり

浄瑠璃,説教節。本地物。6段。柳亭種彦の『用捨箱』によれば,六字南無右衛門作という。慶長 19 (1614) 年の上演記録がある。阿弥陀が孝女の身代りになるという霊験談。 (あやつり) 草創期代表作

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