門並(読み)カドナミ

デジタル大辞泉 「門並」の意味・読み・例文・類語

かど‐なみ【門並(み)】

家の並び。家続き。家並み。
並んでいる家の一軒一軒。軒なみ。副詞的にも用いる。
「―同じようなカッフェーばかり続いていて」〈荷風つゆのあとさき
(副詞的に用いて)その一つ一つのすべて。どれもこれも。
「(銀行会社が)―破産したら么麼どうです」〈魯庵社会百面相

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精選版 日本国語大辞典 「門並」の意味・読み・例文・類語

かど‐なみ【門並】

〘名〙
① 並んでいる家の一つ一つ全部。家ごと。毎戸。
※虎明本狂言・酢薑(室町末‐近世初)「かどなみに酢をつくれ共、それがしが酢程な、あぢのよひすはなひとあって」
※門(1910)〈夏目漱石〉一一「神田通りで、門並(カドナミ)旗を立てて」
② 家が並び続いていること。続いて並んでいる家。
※幸若・山中常盤(室町末‐近世初)「あないたはしや牛若殿、門なみこそおほきに、ゆふべときはのうたれさせ給ひたる一つ所に御とまりある前世の気縁」
③ (比喩的に) ひとりひとりすべて。のきなみ。
人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)二「揚弓場(やば)茶店をはじめとして凡境内の娘子どもは、門並(カドナミ)堕落させて人種を尽させやすぜ」

かど‐ならべ【門並】

大和(947‐957頃)二条家本附載「ここに泊らせ給へといひて、かどならべに、家二つを一つに造りあはせたる、をかしげなるにぞとどめける」

かど‐ならび【門並】

〘名〙 (門が並び続いている意から) 隣り合わせ。隣り近所。かどならべ。
※天理本狂言・塗附(室町末‐近世初)「門ならびにぬしはあれ共、かやうの事は、ならぬなどと云て、いげん云」

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