普及版 字通 「邸(漢字)」の読み・字形・画数・意味
邸
常用漢字 8画
[字訓] やしき・やど
[説文解字]
[字形] 形声
声符は(てい)。に低平の意がある。〔説文〕六下に「屬國の舍なり」とあり、諸侯が都に参上したときの宿るところ。そこに伝達される政令など官報の類を邸報・邸鈔といった。邸閣はもと軍需のための器物や、食糧を貯蔵する官有の建物、のち旅館や、私人の豪邸などをいう。
[訓義]
1. やしき、都に朝したときの諸侯の宿舎。
2. やど、はたご。
3. くら、官の倉庫。
4. 私人の豪邸、大邸宅。
5. 底・柢(てい)と通じ、いたる、よりつく。
6. 抵と通じ、ふれる。
[古辞書の訓]
〔和名抄〕邸 辨色立に云ふ、邸家、賣物を停めて賃を取る處(貸倉庫)なり。今按ずるに、俗に津屋(つや)と云ふ、此のなり 〔名義抄〕邸 店なり 〔字鏡集〕邸 イヘ・クニ
[語系]
邸・・抵tyei、至tjietは声義近く、〔漢書、文帝紀、注〕に「郡國宿の舍の京師に在るもの、悉(ことごと)く邸と名づく。邸とは至るなり」という。もとはおそらく、低平の一区画の称であったらしく、ゆえに荷置の場所をも邸といった。
[熟語]
邸閣▶・邸観▶・邸館▶・邸舎▶・邸抄▶・邸鈔▶・邸第▶・邸宅▶・邸店▶・邸内▶・邸報▶
[下接語]
外邸・官邸・客邸・旧邸・建邸・公邸・国邸・私邸・寺邸・第邸・治邸・置邸・藩邸・府邸・別邸・本邸・旅邸
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報