蹌踉(読み)ソウロウ

デジタル大辞泉 「蹌踉」の意味・読み・例文・類語

そう‐ろう〔サウラウ〕【××踉】

[ト・タル][文][形動タリ]足もとがしっかりせず、よろめくさま。
「―と椅子から立ち上った」〈芥川山鴫

よろけ【蹌踉/蹣跚】

よろけること。
珪肺けいはい俗称

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精選版 日本国語大辞典 「蹌踉」の意味・読み・例文・類語

よろぼ・う よろぼふ【蹌踉】

〘自ハ四〙 (古くは「よろほふ」か)
① あちらに寄ったりこちらに寄ったりをくりかえす。
書紀(720)仁徳三〇年一一月・歌謡「つのさはふ 磐之媛が おほろかに 聞こさぬ 末桑(うらぐは)の木 寄るましじき 川の隈隈 予呂朋譬(ヨロホヒ)行くかも 末桑の木」
② 倒れそうによろよろと歩く。よろめく。よろばう。
※催馬楽(7C後‐8C)酒を飲べて「酒を飲べて 飲べ酔うて たふとこりぞ 参で来ぞ 与呂保比(ヨロホヒ)ぞ 参で来る」
③ よろけたように物がゆがみ曲がる。くずれかかる。倒れかかる。
※能因本枕(10C終)一八六「大きなる木ども倒れ、枝ふき折られたる事だに惜しきに、をみなへしなど、上によろほひはひふせす、いと思はずなり」

よろ‐めき【蹌踉】

〘名〙
① よろめくこと。
招魂祭一景(1921)〈川端康成〉「腹を触れ合った二頭の馬の小さいよろめきで」
② 妻が夫以外の男性にときめきを感じたり、誘惑されて浮気をしたりすること。昭和三二年(一九五七)刊の三島由紀夫小説美徳のよろめき」から流行した語。

よろ‐め・く【蹌踉】

〘自カ五(四)〙 (「めく」は接尾語)
① 足どりがふらついてよろよろする。よろける。よろぼう。
名語記(1275)四「酒に酔たる人、やせたる牛馬なとのよろよろとよろめくといへるよろ、如何」
② 浮気をする。誘惑にのる。

そう‐ろう サウラウ【蹌踉】

〘形動タリ〙 足もとのたしかでないさま。ふらふらとよろめくさま。蹌蹌踉踉。〔音訓新聞字引(1876)〕
悲哀高調(1902)〈綱島梁川〉「現実の我は、依然として蹌踉たり、蹣跚たり」

よろ・く【蹌踉】

〘自カ下二〙 ⇒よろける(蹌踉)

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普及版 字通 「蹌踉」の読み・字形・画数・意味

【蹌踉】そうろう

よろめくさま。

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