趙楽際(読み)ちょうらくさい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「趙楽際」の意味・わかりやすい解説

趙楽際
ちょうらくさい / チャオローチー
(1957― )

中国の政治家。陝西(せんせい)省西安(せいあん)で生まれる。1974年に青海(せいかい)省貴徳県河東郷貢巴(こうは)生産大隊に知識青年として住みついた。1975年7月に中国共産党に入党以後、1977年から1980年に北京(ペキン)大学哲学科で専門研究を行ったほかは、2007年まで一貫して青海省でおもに商業庁関係の部署で活動を続けた。1994年には青海省副省長兼財政庁庁長、1997年には副省長兼西寧(せいねい)市党書記、1999年には党副書記兼省長代理、2000年1月には当時42歳で中国最年少の省長となる。2003年にはこれまた当時最年少の省党書記となり2007年まで務めた。当時「西部大開発」の波にのり青海省の域内総生産(GDP)の急増をもたらす一方で、同省への環境汚染企業の進出に反対を表明し「環境保護区」の設置などをした。2007年に李建国(りけんこく)(1946― )の後を受けて陝西(せんせい)省党書記に転任し、その後2012年の第18回党大会まで同省の党書記、省人代常務委員会主任を務めた。2012年の党大会以降、中央政治局委員、中央書記処書記に加え、中央組織部部長という要職抜擢(ばってき)された。激しい反腐敗闘争、権力闘争なかで、習近平(しゅうきんぺい)政権を支え強化する形で中央・地方の主要人事を取り仕切った功績が評価され、2017年の第19回党大会では、政治局常務委員に抜擢され、かつこれまで王岐山(おうきざん)が仕切っていた中央規律検査委員会の書記の座にもついた。

天児 慧 2018年4月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android