走舞(読み)はしりまい

精選版 日本国語大辞典 「走舞」の意味・読み・例文・類語

はしり‐まい ‥まひ【走舞】

〘名〙
馳走。もてなし。
※とはずがたり(14C前)二「御所の御はしりまひとて、ことさらもてなしひしめかる」
奔走尽力
三河物語(1626頃)三「さてさて、ながしのにてのはしりまい、手がら云に不及」
主人から寵愛される者。お気に入り。〔日葡辞書(1603‐04)〕

はしり‐ま・う ‥まふ【走舞】

〘自ハ四〙
① 入りみだれてせわしく走りまわる。
※宇治拾遺(1221頃)一一「走りのきて、又人やあるとききけれども、人の音もせざりければ、走りまひて」
② 敏捷に用事を勤める。〔日葡辞書(1603‐04)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の走舞の言及

【舞楽】より

…これら左舞,右舞は,管弦の諸楽器の伝承とともに,それぞれ,そのどちらかを,各楽人が伝承することになっている。
[分類と楽器編成]
 舞楽の分類には,唐楽・高麗楽,あるいは左舞・右舞という分類と,これとは別の観点から平舞(ひらまい),走舞(はしりまい),文ノ舞(ぶんのまい),武ノ舞(ぶのまい),童舞(わらべまい∥どうぶ)といった分類がある。唐楽・高麗楽の分類の経緯は前述したが,左舞・右舞に関しては,現行の唐楽曲のうち《還城楽(げんじようらく)》《抜頭(ばとう)》2曲は左舞・右舞の双方に伝を残し,《陪臚(ばいろ)》1曲はもっぱら右舞の中でのみ伝えられている。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」