買切(読み)かいきる

精選版 日本国語大辞典 「買切」の意味・読み・例文・類語

かい‐き・る かひ‥【買切】

〘他ラ五(四)〙
場所座席、乗り物などを、ある時間、自由に使えるように、金を払って全部借り受ける。
洒落本・契国策(1776)南方「なんのかのとかい切っておいた物のよふにからぜいばかり」
② たくさんある品物などを全部買う。
③ 品物などの支払いを完全に済ませる。
歌舞伎絵本合法衢(1810)五幕「『伝三、シタガ、まだ買(カ)ひ切(キ)らぬこの香炉、外へやっては』『ハテ、ようござります。こりゃ元(もと)より盗み物』」
小売店が、卸業者、生産者などから、返品をしない約束商品を買い取る。
※変痴気論(1971)〈山本夏彦〉暮しの手帖「売れる見込みのある分だけ買切ってくれ」

かい‐きり かひ‥【買切】

〘名〙
① 場所、座席、乗り物などを、ある時間、自由に使えるように、金を払って全部借り受けること。
落語殿様の廓通ひ(1890)〈禽語楼小さん〉「殿様のお座敷は買切(カイキリ)で有ります」
② 店などにある物をすべて買ってしまうこと。また、小売店が卸業者、生産者などから、返品しない約束で商品を買い取ること。
※変痴気論(1971)〈山本夏彦〉暮しの手帖「その文庫委託でなく買切で、返品できないのがいまいましくてならないのである」

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