豊明(読み)トヨアケ

デジタル大辞泉 「豊明」の意味・読み・例文・類語

とよあけ【豊明】

愛知県中部の市。名古屋市に隣接する衛星住宅都市。桶狭間おけはざま古戦場伝説地がある。人口7.0万(2010)。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「豊明」の意味・読み・例文・類語

とよ‐の‐あかり【豊明】

〘名〙
① 酒を飲んで催す宴会。また、その宴を催すこと。主として、宮中儀式の後などに催される宴会をいう。供宴。
古事記(712)中「天皇豊明(とよのあかり)聞し看しし日に」
② 特に、宮中での大嘗祭・新嘗祭の翌日、豊楽殿で行なわれる宴会。陰暦一一月なかの辰(たつ)の日(大嘗祭の時は午(うま)の日)、天皇がその年の新穀を食し、群臣にもこれをたまわる宴。賜宴の後に、吉野国栖(くず)奏楽・五節(ごせち)の舞などが催され、賜祿・叙位などがあった。豊の明りの節会(せちえ)
書紀(720)仁徳四〇年是歳(前田本訓)「宴会(トヨノアカリ)の日を以て酒を内外命婦(ひめとね)等に賜ふ」

とよあけ【豊明】

愛知県中西部の地名中世京都鎌倉を結ぶ鎌倉街道沿いの町として開けた。桶狭間(おけはざま)古戦場の伝説地。現在は名古屋市に隣接する住宅・工業都市。昭和四七年(一九七二市制

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「豊明」の意味・わかりやすい解説

豊明[市] (とよあけ)

愛知県中部の市。1972年市制。人口6万9745(2010)。西は名古屋市,東は境川を隔てて刈谷市に接する。古来,交通要衝の地で鎌倉街道,東海道沿いの街村として開け,現在も国道1号線,23号線,伊勢湾岸自動車道,名鉄名古屋本線が通じる。1960年代に入って急速な都市化が進み,名古屋市のベッドタウン的色彩が強まった。農業は兼業化が著しく,畜産,露地野菜,施設園芸などの複合経営が行われる。工業では金属製品,機械工業が盛んで,特に自動車関連企業が着実な伸びを示している。市の北端にある若王子(にやくおうじ)池には古墳時代の集落跡若王子池遺跡がある。名鉄中京競馬場前駅の南方200mの地には桶狭間(おけはざま)古戦場伝説地(史)があり,戦死者を葬ったという戦人塚も残る。伝統芸能として大脇の梯子獅子,上高根の棒の手が伝わる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報