見通・見透(読み)みとおし

精選版 日本国語大辞典 「見通・見透」の意味・読み・例文・類語

み‐とおし ‥とほし【見通・見透】

〘名〙 (古くは「みどおし」とも)
終始見続けること。終始目を通すこと。
② こちらからあちらまで見えること。また、その場所。洞見
源氏(1001‐14頃)野分「みとをしあらはなるひさしのおましにゐ給へる人」
③ 人の心や、目に見えない内面物事などを、あやまりなく察知すること。また、その能力を持つ人。天眼通(てんげんつう)
史記抄(1477)九「奇特に先づ云ふ事がちゃちゃと合ぞ。今茲みとをしと云者か」
④ 物事の成り行きや、将来状態を予測すること。また、その予測。
※門を入らない人々(1951)〈竹山道雄〉「これから先の見とおしを判別することを」
洒落本辰巳之園(1770)「『志厚様が、きなさったに』『見通しにか』」
⑥ 心理学で、動物が新しい事態に直面したとき、試行錯誤や過去の経験などによらないで、とっさに判断し、問題を解決する知性の働きをいう。洞察。〔いのちの科学(1964)〕
⑦ 建築で、部材が一直線上または一平面内にあることをいう。

み‐とお・す ‥とほす【見通・見透】

〘他サ五(四)〙
① 見続ける。終始目を通す。
蜻蛉(974頃)上「すこしひきいでて、牛かくるほどにみとほせば」
② こちらからあちらを一目に見渡す。洞見する。
※蜻蛉(974頃)中「木の間よりみとほしやりたれば、すがたなほ人あまた見えて」
③ 人の心や内面の物事などを、あやまりなく察知する。みぬく。
※史記抄(1477)一四「五蔵の中を見とをすほどに、脉を診までもなけれども」
④ 物事の成り行きや、将来の状態を予測する。
王城の護衛者(1965)〈司馬遼太郎〉「徳川家の運命を見とおしていた」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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