見出(読み)みだし

精選版 日本国語大辞典 「見出」の意味・読み・例文・類語

み‐だし【見出】

〘名〙
① 見つけ出すこと。尋ね出すこと。また、露見すること。発見。
洒落本通言総籬(1787)一「ときにゑんさん京町の新造けへの色事も見だしになったじゃあござりやせんか
多くの中から選び出すこと。選抜。ひきたて。とりたて。
※春迺屋漫筆(1891)〈坪内逍遙〉梓神子「他人よりも先に見出(ミダ)しにあひし嬉しさに」
辞書で項目を示すもの。普通、解説文と字体を変えて太字で示すなど、見やすくし、五十音順、漢字画数順など一定の規則で配列される。親見出し、子見出し、追い込み見出しなどの別がある。見出し語
④ 新聞などで、内容の概略一目でわかるように、文章の前に簡単明瞭に書いたことば。標題
※かくれんぼ(1891)〈斎藤緑雨〉「絵入新聞の標題(ミダシ)を」
⑤ 書籍・帳簿の中の事項を引き出すのに便利なように作った目次索引

み‐いだ・す【見出】

〘他サ五(四)〙
① そとの方を見る。内から外を見る。ながめやる。
伊勢物語(10C前)六九「男はた寝られざりければ、外のかたを見いだして臥せるに」
② たずね出す。見つけだす。見つける。発見する。
※宇治拾遺(1221頃)五「此地蔵納めて置き奉りたりけるを思ひいだして、みいだしたりけり」
花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉上「実地に就いて其の社会の必要を見(ミイダ)す様に」
③ 眼をむき出して見る。怒り、または驚きで目をみはる。
曾我物語(南北朝頃)七「いかりて見ばやと思ひて、持ちたる扇をさっとひらき、大きに目を見いだし」
[語誌]中古では、屋内から外を見る時や、狭い場所から広い場所を見る場合などに見やる意で用いられ、見つける、発見するという意では「見出づ」が用いられた。

み‐い・ず ‥いづ【見出】

〘他ダ下二〙
① 見つけだす。発見する。
※伊勢物語(10C前)四一「いときよらなる緑衫(ろうさう)のうへのきぬを見いでてやるとて」
② 内から外を見る。ながめる。
※浜松中納言(11C中)一「むすめの君は、帳のかたびらすこし捲き上げて、うちわを手まさぐりにして、見いでて臥したり」

み‐だ・す【見出】

〘他サ五(四)〙
① 見はじめる。
② 見つけだす。さがし出す。発見する。隠しごと、うそなどをあばく。見いだす。
※清原国賢書写本荘子抄(1530)二「物のみえぬ前から何やらみたさん、何やら聞ださんとせぬ」
③ 多くの中から選んで抜き出す。選抜する。抜擢(ばってき)する。見いだす。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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