西山温泉(読み)にしやまおんせん

日本歴史地名大系 「西山温泉」の解説

西山温泉
にしやまおんせん

[現在地名]早川町湯島

早川の支流川沿いに湧出した温湯で、古くから湯島ゆじまの湯とよばれた。由来については文武天皇の時代に藤原真人の子四郎長麿・六郎寿麿兄弟が猟に出て湯川の近くに湧出する湯を発見したのが初めといい、また孝謙天皇が病に伏した際、夢見に甲斐のこの地に霊湯があるとの御告を受け、この湯で平癒したとも伝えている。山王神社(山湯大権現)鰐口(深沢雄二家蔵)の銘に「奉献上山湯大権現下山住一閑斎、天文十五壬子ママ正月吉日」とあり、年未詳(天文二二年か)七月三日の穴山信友判物(深沢輝一家文書)湯治のことがみえ、天正一七年(一五八九)九月徳川家康が「甲州奈良田村ノ温泉ニ浴シ玉フ」(武徳編年集成)というのは当温泉であり、戦国期には温泉として用いられていたことが知られる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「西山温泉」の意味・わかりやすい解説

西山温泉
にしやまおんせん

山梨県南巨摩(みなみこま)郡早川町にあり、南アルプス山中の早川渓谷沿いにある温泉。705年(慶雲2)に開湯され、孝謙天皇(こうけんてんのう)が上流の奈良田(ならだ)に遷居しこの温泉で治療されたという伝説があり、歴史は古い。泉質塩化物泉。第二次世界大戦前は甲府盆地から峠越え湯治客が訪れ、旅館は2軒しかなかったが、いまではJR身延(みのぶ)線身延駅からバスの便があり、宿泊施設も増え、白根(しらね)山登山や野呂(のろ)川渓谷探勝の客も増加している。

横田忠夫

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「西山温泉」の意味・わかりやすい解説

西山温泉
にしやまおんせん

山梨県西部,赤石山脈中にある温泉。赤石山脈と巨摩山地にはさまれた早川の谷にあり,早川町に属する。泉質は芒硝泉。泉温は 40~45℃。胃腸病,婦人病などに効能がある。古くからの湯治場であるが,白根三山への登山客や渓谷探勝の一般観光客もふえている。

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デジタル大辞泉プラス 「西山温泉」の解説

西山温泉

山梨県南巨摩郡早川町、早川峡谷沿いにある温泉。705年開湯。「世界で最も古い歴史を持つ宿」としてギネスブックに認定された「慶雲館」がある。

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事典・日本の観光資源 「西山温泉」の解説

西山温泉

(山梨県南巨摩郡早川町)
関東・観光バスで行く名所100選」指定の観光名所。

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