白根(読み)しろね

精選版 日本国語大辞典 「白根」の意味・読み・例文・類語

しろ‐ね【白根】

[1] 〘名〙
シソ科多年草。各地の湿地に生える。高さ約一メートル。地下茎は肥厚し白色。茎は四角柱状。葉は密に対生し、短柄があり、長さ六~一三センチメートルの広披針形で、縁に鋸歯(きょし)がある。夏、葉腋(ようえき)に長さ約五ミリメートルの白い唇形花が群がって咲く。地下茎は食用になる。漢名、地笋。あぜこし。〔本草色葉抄(1284)〕
② 葱(ねぎ)をいう女房詞
※御湯殿上日記‐文明一五年(1483)正月一三日「うちよりくもし、むめ、しろねまいる」
③ 植物「さわひよどり(沢鵯)」の古名。〔書言字考節用集(1717)〕
[2] 新潟新潟市地名。旧市名。越後平野中部、信濃川とその分流中ノ口川にはさまれ、信濃川の交通で栄えた市場町米作・果樹栽培を主とする。六月に行なわれる年中行事の凧(たこ)合戦は有名。昭和三四年(一九五九市制。平成一七年(二〇〇五)新潟市に編入。

しら‐ね【白根】

〘名〙
① 植物の茎や根で土中にあって白くなっている部分。白い根。
古今六帖(976‐987頃)六「人しれずものおもふときはなにはなるあしのしらねのしらねやはする〈紀貫之〉」

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デジタル大辞泉 「白根」の意味・読み・例文・類語

しろね【白根】

新潟県中部にあった市。蒲原かんばら穀倉地帯の中心をなす米どころ。6月の大凧おおだこ合戦は有名。平成17年(2005)3月、新潟市に編入。→新潟

しろ‐ね【白根】

シソ科の多年草。池や沼などの水辺に生え、高さ約1メートル。地下茎は白く、茎は四角柱。夏から秋に、葉のわきに白い唇形の小花が群がって咲く。
ネギをいう女房詞

しら‐ね【白根】

植物の茎や根の、地中にある白い部分。しろね。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「白根」の意味・わかりやすい解説

白根
しろね

新潟県中部,新潟市中南部の旧市域。新潟平野の中央にある。 1955年白根町と新飯田村,庄瀬村臼井村大郷村,鷲巻村,根岸村,小林村,茨曽根村の8村が合体。 1959年市制。 2005年新潟市に編入。 2007年政令指定都市化に伴い大部分は南区の一部となった。信濃川とその支流中ノ口川の間に位置し,近世は溝口藩のもとで市場町,中ノ口川の河港として繁栄。水稲単作地帯を背景にした商業中心地で,農産物集散地。仏壇,鎌を特産。金属・プラスチック製品などもつくられる。6月上旬に行なわれる 300年の歴史を有する凧合戦は有名。

白根
しらね

山梨県西部,甲府盆地の西方にある地域。旧町名。 1954年巨摩町,西野村,今諏訪村,百田村が合体して成立。 1959年源村を編入。 2003年に八田村,芦安村,若草,櫛形,甲西の各町と合併して南アルプス市となった。西部は巨摩山地で,御勅使 (みだい) 川の扇状地におもな集落がある。乏水地で,古くは牧がおかれ,明治時代まではムギ,タバコ,ワタなどの栽培が行なわれていた。大正時代に養蚕の発達とともにサクランボ,温室メロンの栽培が始まり,甲府盆地西部の果樹栽培地帯の中心地域に発展。現在はサクランボ,モモ,スモモなど多角的果樹栽培地域として知られるようになった。綿繰りの伝統を生かした製糸,メリヤスの工場が立地するほか,電機機器関連の工場もある。甲州商人の発祥地。

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改訂新版 世界大百科事典 「白根」の意味・わかりやすい解説

白根 (しらね)

白根 (しろね)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「白根」の解説

白根 (シロネ)

学名:Lycopus lucidus
植物。シソ科の多年草,薬用植物

白根 (シロネ)

植物。ユリ科の多年草,園芸植物,薬用植物。ネギの別称

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