褌・犢鼻褌(読み)ふんどし

精選版 日本国語大辞典 「褌・犢鼻褌」の意味・読み・例文・類語

ふんどし【褌・犢鼻褌】

〘名〙
① 男子の陰部をおおい隠す布。ふどし。とうさぎ。はだのおび。したおび。まわし。〔日葡辞書(1603‐04)〕
② 女子の腰巻。
※雑俳・柳多留‐三(1768)「ふんどしはどうだと禿まくられる」
相撲の化粧まわし。
※雑俳・柳多留‐一三(1778)「大きな男ふんどしをねだる也」
④ 蟹(かに)腹部
咄本・昨日は今日の物語(1614‐24頃)上「振舞にかにをいださう。構いてふんどしをはづしてまいれ」
⑤ (誰もが掛く(書く)の意にかけたしゃれ) へたな筆跡をあざけっていう語。ふんどして。
※浮世草子・世間胸算用(1692)五「たとへいかなる人の筆にもせよ、是をふんどしといふ手じゃ」
⑥ (盤面での形が丁の字形で、①をしめた形に似ているところから) 将棋で、桂馬で相手の駒二つに同時に当たりをかけること。転じて、二つのものを同時にねらうこと。両方をすること。
※雑俳・玉みがき(1729)「ただふんどしをかかしたがりし助言にて」
⑦ 人をののしっていう語。
※洒落本・色深睡夢(1826)下「ヤイふんどしめ、〈略〉ぐずるとは何のこっちゃい」
劇場の表や閉幕中の幕の前に釣り下げてある、宣伝告知字句を記した縦長の幕。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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