虫押(読み)むしおさえ

精選版 日本国語大辞典 「虫押」の意味・読み・例文・類語

むし‐おさえ ‥おさへ【虫押】

〘名〙
空腹の時、少しばかり物を食べて、空腹をまぎらせること。その食物。また、比喩的に、一時しのぎにものごとを行なうこと。
随筆・嬉遊笑覧(1830)一〇上「空心に、まつちとばかり物くふを、点心といふ。今俗に、虫おさへといふ類なり」
② 癇(かん)子ども虫気(むしけ)が起こらないようにすること。また、その薬。
※森の絵(1907)〈寺田寅彦〉「母は虫抑への薬を取り出して呑ませてくれたが」
増長気持や怒りなどをおさえしずめること。腹の虫をおさえること。また、その行為
滑稽本・早変胸機関(1810)「なぜ虫押(ムシオセ)へに飲めとぬかした」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android