虫気(読み)むしけ

精選版 日本国語大辞典 「虫気」の意味・読み・例文・類語

むし‐け【虫気】

〘名〙
腹痛を伴う腹部病気総称。古くは、腹中にすむ三尸(さんし)の虫によって起こると信じられた。
蔭凉軒日録‐寛正三年(1462)八月六日「今晨依御虫気、無御出也」
② 小児が寄生虫によってひきおこす腹痛、ひきつけ、癇癪(かんしゃく)など。
※俳諧・新増犬筑波集(1643)油糟「笑へばわらふ泣(なけ)ばなく也 あはれなは虫気(ムシケ)なる子の乳母にて」
④ 虫。むしけら。害虫
高野山文書‐(年未詳)(室町)九月一一日・野田原百姓等言上状「当年の事者、事外に虫け付候。又風ふき候、方々以外に御年具御入なく候」

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デジタル大辞泉 「虫気」の意味・読み・例文・類語

むし‐け【虫気】

子供が寄生虫などによって腹痛・ひきつけかんしゃくなどを起こすこと。
痛みを伴う腹の病気。腹の中にすむ三尸さんしの虫によって起こると考えられた。
「雨にうたれて、持病の―などが起りやしけん」〈逍遥当世書生気質
産気。陣痛。
「当たる十月とつきに―づき」〈咄・無事志有意〉
[類語]癇癪癇癖癇性ヒステリック喧嘩早い喧嘩っぱや怒り腹立ち憤り怒気瞋恚しんい憤怒ふんど・ふんぬ憤懣ふんまん鬱憤うっぷん義憤痛憤悲憤憤激憤慨ふんがい立腹激怒逆鱗げきりん憤ろしい腹立たしい業腹ちゅうっ腹やけっ腹悲憤慷慨短気気短短慮せっかち性急気早気が短い気忙しい直情径行逆上高ぶるのぼせる激するかっとなるいきり立つはやり立つのぼせ上がる血迷う血走る怒りっぽい切れる瞬間湯沸かし器

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普及版 字通 「虫気」の読み・字形・画数・意味

【虫気】ちゆうき

虫による病。〔史記、倉公伝〕蟯、之れを(かんしふ)に得たり。の氣、宛(鬱)篤(うつとく)して發せざれば、して蟲と爲る。~是れ蟲氣なり。

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