普及版 字通 「舫(漢字)」の読み・字形・画数・意味
舫
10画
[字訓] ふね・もやいぶね
[説文解字]
[その他]
[字形] 形声
声符は方(ほう)。〔説文〕八下に「なり」(段注本)とし、「堂令に曰く、舫人は水にふなり」とする。〔礼記、月令〕に「六、漁師に命じて蛟(みづち)を伐たしむ」とあり、漁師は舫人、〔注〕に舫人を榜人、すなわち船頭の意とする。〔孔子家語、三恕〕に「舟を舫(なら)べず、風をけざれば、則ち以て(わた)るべからず」とあり、舟を並べてつなぐことをいう。方に比方、ならべる意がある。
[訓義]
1. ふね。
2. もやいぶね、舟をつなぎあわせる、舟をならべる。
3. いかだ、いかだ舟。
4. 舟のり、船頭。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕舫 フネ・トモ・ナラブ・フナバタ・ハシブネ・ツム 〔字鏡集〕舫 ナラブ・フネ・ハシブネ・トモ・フタゴフネ・フナバタ
[語系]
舫・方piuangは同声。〔説文〕八下に方を併船と解するが、〔国語、斉語〕に「舟を方(なら)べ(いかだ)を設く」とあって、方は動詞、舫・(ふ)が名詞。方はもと架屍の形で、字義は異なる。
[熟語]
舫屋▶・舫舟▶・舫人▶・舫船▶・舫艇▶・舫楼▶
[下接語]
宴舫・花舫・画舫・官舫・妓舫・巨舫・軽舫・行舫・彩舫・朱舫・酒舫・舟舫・秋舫・乗舫・船舫・大舫・短舫・鳧舫・文舫・野舫・蘭舫・両舫・連舫
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報