腐合(読み)くされあう

精選版 日本国語大辞典 「腐合」の意味・読み・例文・類語

くされ‐あ・う ‥あふ【腐合】

〘自ワ五(ハ四)〙
① 二つ以上のものがいっしょに腐る。腐って混じり合う。
※艦底(1912)〈荒畑寒村〉三「溜り水と塵芥との腐れ合った悪臭と」
② (「くされ」は「鏈(くさ)り」の意を兼ねた語) 男女不義の縁を結ぶ。また、その縁がたち切れないことをののしっていう。腐り付く。野合する。くさりあう。
浮世草子・好色訓蒙図彙(1686)上「心までくるなみだにて文をかよはして、くされあひたる中」

くさり‐あ・う ‥あふ【腐合】

〘自ワ五(ハ四)〙 (「くさり」は「鏈(くさ)り」の意を兼ねた語) =くされあう(腐合)
狂歌・後撰夷曲集(1672)七「脇指のくさりあひたる中なれば思ひきるにもきられざりけり」
※二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉中「娘は、下水浚の鳶の彌助と腐(クサ)り合(ア)ひ、金銭まで掴み出し」

くさり‐あい ‥あひ【腐合】

〘名〙 (「くさり」は「鏈(くさ)り」の意を兼ねた語) =くされあい(腐合)
浄瑠璃新うすゆき物語(1741)上「ムム扠はきゃつらがくさり合、忍び逢(あふ)相図艷書

くされ‐あい ‥あひ【腐合】

〘名〙 (「くされ」は「鏈(くさ)り」の意を兼ねた語) (特に男女が)腐れ合うこと。また、その関係。くさりあい。
※いさなとり(1891)〈幸田露伴七九「腐れ合ひのそもそもを問へば言語道断」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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