日本歴史地名大系 「翠紅館」の解説 翠紅館すいこうかん 京都市:東山区祇園廻り桝屋町翠紅館[現在地名]東山区桝屋町桝屋(ますや)町東北にある。もと霊山正法(しようぼう)寺寺中の東光(とうこう)寺の跡とされる。東光寺は、開基・創立ともに分明でないが、「空華日用工夫集」永徳二年(一三八二)正月一一日に「赴東光古剣之招」とみえ、また「室町殿家記」に康正二年(一四五六)のこととして「斯波義敏、遷居東山東光寺」とみえる。江戸時代初期まで存在したようであるが、のち正法寺に含まれて叔阿弥(しゆくあみ)と称し、眺望の絶景なのを生かして、やがて円山安養(まるやまあんよう)寺の左阿弥(さあみ)や双林寺文阿弥(ぶんあみ)などと同じく寮(貸席)となった。その光景は「都林泉名所図会」に詳細な図が載っており、その絵には「花に風、かろく来てふけ酒の泡」という歌が添えられ、風雅な遊興の環境がしのばれる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報