紅槍会(読み)コウソウカイ(英語表記)Hóng qiāng huì

デジタル大辞泉 「紅槍会」の意味・読み・例文・類語

こうそう‐かい〔コウサウクワイ〕【紅槍会】

《赤いふさのついたやり武器にしたところから》中国で、辛亥しんがい革命以降、軍閥圧迫などに対して華北農村などで組織された、保守的・排他的な武装自衛団体。

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精選版 日本国語大辞典 「紅槍会」の意味・読み・例文・類語

こうそう‐かい コウサウクヮイ【紅槍会】

(赤いふさをつけた槍を武器としたところから) 辛亥革命後の中国、特に華北の農村で、民間信仰背景地主中心に組織された保守的、排他的な自衛団体。抗日戦争期には八路軍に参加した。

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改訂新版 世界大百科事典 「紅槍会」の意味・わかりやすい解説

紅槍会 (こうそうかい)
Hóng qiāng huì

中国近代の非合法の郷村自衛組織。黒槍会などの同質異名の組織は数多いが,紅槍会はそれらの代表的なもの。1910年代後半に山東,河南省境地方より起こり,華北一帯に広がった。義和団淵源するとされ,宗教的信仰と〈槍弾不入(弾に当たらぬ)〉に象徴される迷信とを精神的紐帯とする点で特色がある。装備劣勢を迷信に基づく精神的高揚により補ったわけである。軍閥混戦の時代はもちろん,抗日戦争期にも八路軍のもとで活躍し,解放とともにその歴史的使命を終えた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「紅槍会」の意味・わかりやすい解説

紅槍会
こうそうかい
Hong-qiang-hui; Hung-ch`iang-hui

中国,民国初期以来,華北の農村地域で組織された民間の自衛的な武装団体。武器として所持する槍に紅色の房を付したことからこの名がある。特に 1920~30年代において活発で,ほかに黄槍会,白槍会,黒槍会,緑槍会など多くの組織もみられた。これらの多くは封建的な地主,郷紳層に指導され,農村内の宗教組織とも密接に関係していた。したがってきわめて封建的な自衛組織ではあるが,軍閥や土匪勢力に対抗し,抗日戦争に活躍するなど活発な活動を続けた。第2次世界大戦後,中華人民共和国成立のなかにあって封建的要素を除き,人民の自衛組織と化した。

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