普及版 字通 「篤(漢字)」の読み・字形・画数・意味
篤
常用漢字 16画
[字訓] あつい・くるしむ
[説文解字]
[字形] 会意
竹+馬。竹は竺(じく)の省文。〔爾雅、釈詁〕に篤・竺をならべ挙げて、「厚きなり」と訓している。竺は毒として棄てる意。篤とは重篤、馬が困弊して、用をなさぬ状態をいう。〔説文〕十上に「馬行きて頓(つまづ)き、遲きなり」とあり、また〔爾雅、釈詁〕に「固(かた)きなり」というのは堅篤の意。古くから篤厚の意に用い、〔書、洛誥〕「人の威烈を篤くす」、〔詩、大雅、公劉〕「篤いかな劉」、〔礼記、儒行〕「篤行してまず」などは、みなその義。これらの用義はおそらく毒と通用するもので、毒にも篤厚の意がある。毒は妻たる婦人が祭につかえるために、髪に多く飾りを加える形。その繁縟のさまを毒という。
[訓義]
1. あつい、てあつい、もっぱら、おそらく毒との通用の義。
2. 馬がくるしむ、つかれる、あやうい。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕篤 スチ・アツシ 〔立〕篤 オソシ・アツシ・マノウクツク・ムマノユク 〔字鏡集〕篤 カタシ・アツシ・トドム・マヌガル・ツトム・タノム・オソキウマ・ウマノウクツク・アツカル・アツシ
[語系]
篤tuk、毒dukは声義近く通用する。毒の古文の字形はに作り、部の〔説文〕五下に「厚きなり」とし、「(きやう)に從ひ、竹(ちく)聲。讀みて篤の(ごと)くす」とあり、と声義が同じ字であろう。竺tukも〔説文〕十三下に「厚きなり」と訓し、おそらくもと同字であろう。
[熟語]
篤痾▶・篤愛▶・篤学▶・篤患▶・篤義▶・篤恭▶・篤謹▶・篤敬▶・篤劇▶・篤眷▶・篤固▶・篤顧▶・篤厚▶・篤好▶・篤孝▶・篤行▶・篤志▶・篤疾▶・篤実▶・篤恕▶・篤信▶・篤慎▶・篤仁▶・篤生▶・篤性▶・篤誠▶・篤速▶・篤道▶・篤弼▶・篤病▶・篤睦▶・篤密▶・篤▶・篤亮▶・篤類▶・篤烈▶・篤論▶
[下接語]
恩篤・款篤・危篤・謹篤・恵篤・敬篤・厳篤・懇篤・重篤・純篤・醇篤・情篤・仁篤・崇篤・世篤・忠篤・敦篤・礼篤・老篤・論篤
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報