築上(読み)きずきあげる

精選版 日本国語大辞典 「築上」の意味・読み・例文・類語

きずき‐あ・げる きづき‥【築上】

〘他ガ下一〙 きづきあ・ぐ 〘他ガ下二〙
土石などを積んで構造物をつくる。建築物をつくる。
※宝の山(1891)〈川上眉山団円「荘麗華美を尽したる、玉楼殿を築上(キヅキア)げぬ」
地位体制などを一歩一歩作りあげる。
野分(1907)〈夏目漱石〉一「折角に築き上げた人格は」
※桐畑(1920)〈里見弴好敵手自分の腕っぷし一つで、地位も財産も名誉も築きあげて行かうと云ふ」

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改訂新版 世界大百科事典 「築上」の意味・わかりやすい解説

築上[町] (ちくじょう)

福岡県北東部,築上郡の町。2006年1月椎田(しいだ)町と築城(ついき)町が合体して成立した。人口1万9544(2010)。

築上町東部の旧町で,周防灘に臨む。築上郡所属。人口1万1737(2005)。地形は南端の国見山を分水嶺として北に開け,国見山を源とする岩丸川など4河川が北流,川沿いの谷底平野に農耕地が分布する。城井(きい)川河口の椎田は,鎌倉時代以来郡の政治・経済の中心となり,近世海運の基地,また豊前街道宿場町として発達した。日豊本線開通後は近隣の行橋市,豊前市へ交通の要衝としての機能が移った。米作を主とする農業が主産業で,野菜栽培も盛んであるが,近年北九州市への通勤者も増加している。豊前海岸には菅原道真とゆかりの深い綱敷天満宮(浜宮)があり,梅の名所として知られる。

築上町西部の旧町。築上郡所属。人口9100(2005)。北は行橋市に接する。英彦(ひこ)山から山脚が北にのび,その間を北流する城井(きい)川沿いに細長い谷底平野があり,下流にはやや広い扇状地平野が開ける。農業が主産業で,米作のほかレタス,イチゴなどの野菜栽培が行われ,山間部ではユズ,梨などの生産が盛ん。耶馬日田英彦山国定公園に属する南東端の求菩提(くぼて)山は修験道場として知られ,山麓の寒田(さわだ)には中世に宇都宮氏が拠った城井城跡がある。また航空自衛隊築城基地がある。JR日豊本線,国道10号線が通じる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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