竜蔵院(読み)りゆうぞういん

日本歴史地名大系 「竜蔵院」の解説

竜蔵院
りゆうぞういん

[現在地名]幡豆町西幡豆 小野ヶ谷北の入

北と西に山を控え、南に小野おの川をみる山麓に立地。虎洞山と号し、浄土宗西山深草派。本尊阿弥陀如来。寺伝によると、承和二年(八三五)比叡山から鏡観大阿闍梨がこの地に来て、一宇を建立したのを祖とするという。その後、無住が続くが、徳林とくりん寺の尭光がこの地に閑居して浄土宗に改宗、阿弥陀如来を本尊とし道場としたという。

社寺明細帳によると大般若経の写経二〇〇巻があり、長寛二年(一一六四)、正嘉三年(一二五九)、永正一三年(一五一六)の写経が多い。応永元年(一三九四)銘で藤原守吉作の重さ二キロの鰐口は、代々庄屋が保管していたという。

竜蔵院
りゆうぞういん

[現在地名]総和町柳橋 下宿

栗橋くりはし―下妻街道の北に所在。山門までの道の両側に樹齢三〇〇年近い杉並木が続く。柳橋山竜蔵院西光さいこう寺と称し、真言宗豊山派。本尊阿弥陀如来。寺伝によると大同年間(八〇六―八一〇)空海が当地に巡錫して開基旧地愛宕あたご社の東側、竜堂りゆうどうと称する地と思われる。鐘銘によれば空海が渓流を渡れずに難儀していると一人の老人が現れ、岸の柳の枝八本を折って橋を架け、渡り終えると八本の枝は、八匹の竜となって昇雲。空海は感激して一堂を建立し、竜堂と名付けた。文明七年(一四七五)法印行海が中興開山

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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