立止・立留(読み)たちどまる

精選版 日本国語大辞典 「立止・立留」の意味・読み・例文・類語

たち‐どま・る【立止・立留】

〘自ラ五(四)〙 (古くは「たちとまる」)
① 立ったままでとまる。歩くのを止めてとまる。
万葉(8C後)一三・三二七六「玉桙の 道来る人の 立留(たちとまり) 何かと問はば」
② (「たち」は接頭語) ほかに移ることなくその場にとどまる。しばらく居残る。
源氏(1001‐14頃)乙女「をとこ君はたちとまりたる心地も、いと人わろく、胸ふたがりて、わが御方に、ふし給ひぬ」
③ (「たち」は接頭語) 妻や愛人の所に通っていって泊まる。
※源氏(1001‐14頃)薄雲「ここは、かかるところなれど、かやうに、たちとまり給ふ折々あれば」

たち‐とどま・る【立止・立留】

〘自ラ四〙
① 立ったままでとどまる。歩くのを止めてとどまる。立ちどまる。
※安法集(983‐985頃)「春霞いづくばかりにかへるらむたちととまれといひややらまし」
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉九「全体此処は何処であったかと立とどまった事は」
② (「たち」は接頭語) ほかに移ることなくその場にとどまる。しばらくその場に居残る。腰をすえる。
※忠岑集(10C前)「わがなすことの しづはたに みだれてならず ありしかば たちとどまりて しほどに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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